| ・御自分でお酒のアルコール度数を計ってみたいと思われる方もいることと思います。そのような研究熱心な方々の為に簡単なアルコール度数の測定法を紹介いたします。 |
| ・通常清酒のアルコール度数は蒸留装置を用い揮発性分を集め、定量加水し酒精度計 (浮ひょう)にて測定します。浮ひょうには他にも密時計・比重計・重ボーメ度計・ 軽ボーメ度計・日本酒度計・しょ糖度計などがありますが、アルコール度の測定には酒精度計を用います。これらの計器はいずれも時間の経過と共に誤差(器差)が生じてくるので定期的な修正が必要となります。また蒸留装置は高価なものとなるので、 この方法は実用に向かないと思います。その他にもガスクロマトグラフィーや振動密度計・アルコメイトで測定する方法もありますが、いずれも高価なものです。そこで経費もあまりかからなく、実験方法も煩雑でない方法を考えました。 |
| 【用意するもの】 |
| 1、重量計測器(100〜200g程度を測れるもの。最低でも小数点以下第一位まで計れるものでなくてはならない。なぜならば試料100gにつき±1gで約±9度、±0.1gで約±0.9度の誤差が生じるから。200gなら誤差はこの半分となる。) ex.上皿天秤・バネ秤・台秤など。少し高価ですが、デジタルはかり(最小表示単位0.1g):¥12,000などもある。 |
| 2、容量(100〜200ml程度)の分かるガラス製容器(実験器具のメスフラスコの様に口の先が細くなったものが望ましいが、無いようなら100gの水を口の先のなるべく細いガラス容器に入れ、その水を15℃にした時の水位に線を引いてお く。この際、容器重量を記録しておき容器内で水の重さ調整をした方がよい。) もし手数を惜しまないのなら、メスフラスコの購入をお勧めします。参考:メスフラスコ(100ml):¥2,100 |
| 3、ガスコンロやストーブ(水分を蒸発させることが出来ればなんでもよい。) |
| 【実験前知識】 |
| 1、比重=重量/容量(浮ひょうで求める数値は全て比重が元になっている。) |
| 2、通常、水にアルコールを加えた場合の収縮量とエキスをアルコールに溶かした溶解実績の差は極めて小さいので、以下の公式が成り立つとされている。
エキス分の比重=(酒の比重−アルコールの比重)+1−−−@ また、この式はアルコール・エキス共に25%以上にならない限りは実用に供しうるとされている。 |
| 3、0〜25度までのアルコールと比重のグラフを作り近似曲線をとると、その関係式は
Y=7417.2X^2−15496X+8079.3 −−−A となる。(X=アルコールの比重、Y=アルコール度数、相関係数R^2=0.9998) |
| 【実験方法】 |
| 1、試料の重量と15℃の時の容量を記録しておく。(注:容器重量は含まない)
ex.重量103.5g、容量100ml:比重=103.5/100=1.035 |
| 2、試料をガスコンロなどで70〜80%蒸発させ、15℃にて先程の容量まで加水
する。 ex.重量105.5g、容量100ml:比重=105.5/100=1.055 |
| 3、1.035は酒の比重、1.055はエキス分の比重と考えることが出来るの
で、実験前知識@より 1.055=(1.035−アルコールの比重)+1
∴アルコールの比重=0.98 |
| 4、実験前知識Aより アルコール度数=7417.2*(0.98*0.98)−15496*0.98+8079.3 ≒16.7(%) となる。 |
| また、Brix計を用いて比重を求めたなら、測定条件が(20/20℃)になっているので(15/15℃)に換算する必要がある。 [Brixを求める上での簡易式] Brix≒((20/20℃)の比重−1)*1000/4 この式を元に(20/20℃)のおおよその比重を求めることが出来る。 |
| ・理論上はこの方法でアルコール度数を測定できると思うのですが、容量測定時に使用した容器や重量を計る計器などにも誤差要因はありますし、測定者の熟練度も関係してくるので、なるべく正確な器具を使うことと何度か練習することが必要だと思います。 |
| ・この測定法を利用して下さった方がいらっしゃいましたら、感想や結果などを報告して頂けたらありがたいです。 |