| ・単純明解に言うと糖分(主に単糖類・二糖類)を酵母菌に食べさるとアルコール(酒)が出来上がります。ただし、日本酒の場合は原料として米を使うので、米のデンプン質を糖に変えなければいけません。そこで登場するのが麹です。麹菌のもつ酵素がデンプンやタンパク質を糖やアミノ酸に分解してくれます。このように日本酒の造りは二つの発酵が同時に行われるので並行複発酵と呼ばれています。 日本酒の出来る方程式は案外簡単なものなのですが、出来上がった酒は皆個性を持っています。なぜそのような個性が出るかというと、米の品質や精米歩合と原料処理方法、酵母菌や麹菌の種類とその使用量・育成条件、そして水質などの条件が無数の組み合わせで存在するからです。これらの条件の一部を以下に示します。 |
| ・ | 単糖類: | ブドウ糖(グルコース)・果糖 |
| ・ | 二糖類: | 蔗糖・麦芽糖(マルトース)・乳糖 |
| ・ | 多糖類: | 糊精(デキストリン) |
| ・α−アミラーゼ(澱粉液化酵素) | ||
| α−アミラーゼは蒸しによってα化(糊化)されたα−デンプンを切断し、オリゴ糖(2〜6個の単糖類が結合したもの:少糖類)を生成します。 | ||
| ・グルコアミラーゼ(糖化酵素) | ||
| α−デンプンやデキストリン、オリゴ糖などをブドウ糖単位にまで分解します。 | ||
| ・トランスグルコシダーゼ | ||
| オリゴ糖からブドウ糖を切り離し、他のオリゴ糖に結合させ非発酵性のオリゴ糖をつくります。非発酵性の為、清酒中に残ります。(ex.イソマルトース・コージビオース・ニゲロース・パノース) | ||
| ・酸性プロテアーゼ | ||
| タンパク質をペプチド(2〜20個くらいのアミノ酸がつながったもの)に分解します。ペプチドは清酒にゴク味を感じさせます。 | ||
| ・酸性カルボキシペプチダーゼ | ||
| タンパク質やペプチドからアミノ酸を1つづつ端から切り離します。アミノ酸は酵母菌の栄養源や香気成分の生成に必要です。また、清酒中ではゴク味や旨味となりますが、多すぎると雑味やくどさが出ます。 | ||
| 酵母 | 分離源 | 分離者 | 分離・実用年 |
| Sacch.sake | 酒母・醪 | 矢部 | 明治29年 |
| きょうかい1号 | 桜正宗酒母 | 高橋 | 明治39年 |
| きょうかい2号 | 月桂冠新酒 | 醸試保存 | 明治末年 |
| きょうかい3号 | 酔心 | 醸試保存 | 大正3年 |
| きょうかい4号 | 酒母 | 江田・小穴 | 大正13年 |
| きょうかい5号 | 酒母 | 江田・小穴 | 大正14年 |
| きょうかい6号 | 新政酒造場 | 小穴 | 昭和10年 |
| きょうかい7号 | 真澄醪 | 山田 | 昭和21年 |
| きょうかい8号 | 協会6号変異体 | 塚原 | 昭和35年 |
| きょうかい9号 | 熊本県酒造研 | 野白(金) | 昭和28年頃 |
| きょうかい10号 | 東北地方醪 | 小川 | 昭和27年 |
| きょうかい11号 | 変異株 | 原 | 昭和50年 |
| きょうかい12号 | 浦霞酒造場 | 佐藤 | 昭和41年 |
| きょうかい13号 | 変異株 | 原 | 昭和56年 |
| きょうかい14号 | 不明 | 金沢局鑑定 | 平成6年 |
| きょうかい15号 | 秋田県酒造場 | 秋田県醸試 | 平成2年 |
| 泡なし酵母−601 | 変異株 | 大内・秋山 | 昭和48年 |
| 泡なし酵母−701 | 変異株 | 大内・秋山 | 昭和44年 |
| 泡なし酵母−901 | 変異株 | 大内・秋山 | 昭和50年 |
| 泡なし酵母−1001 | 変異株 | 日本醸造協会 | 昭和59年 |
| 広島酵母6号 | 喜久牡丹醪 | 広島醸試 | 昭和2年 |
| 長野酵母NP−1 | 長野県 | 今井・馬場 | 昭和46年 |
| ハワイ泡なし酵母 | 変異株 | 二瓶 | 昭和34年 |